The Sounds of Water. / 山種美術館 《水の音》 展。(前期)



またもや山種美術館に行ってきました!

今年はもしかしたらすべての企画を見ているかも…
というくらい、この小さな美術館にはまっています。

キュレーションがおもしろくって
毎回テーマを変えては日本画の素晴らしさ、楽しさを教えてくれます。

お盆の来客数が減る時期を見込んでか
学芸員さんによるガイドツアーがあったので
それに入れてもらいました。

さて、今回は「水」がテーマ。

川、海、滝、雨の各セクションがあり、
古くは歌川広重さんの浮世絵から
現在も活躍中の千住博さんの「ウォーターホール」まで。

夏にぴったりの水というテーマですが
わたしにはさらに「行かねば!」と惹きつけるものが。

なんと、前期にはマイホームタウン・鳴門の渦をテーマにしたものが3点もあるのです。


いまは橋が架かっていて描かれた風景ではありませんが、
大きな渦潮はめずらしいらしく
昔から絵画のモチーフになっていたことはとても面白いと思いました。

行かねば!



まず、入ってすぐにあるこちら。


奥村土牛さんの『鳴門』。

激しく躍動感があるはずの渦潮ですが
どこか優美で柔らかい印象です。

金箔を貼り、その上に色を重ねているのだとか。
ゴージャスですね。



二作目はこちら。

3枚の連作。


歌川広重さんの《雪月花之内 花》 の 『阿波鳴門之風景』です。

おいおい、花が描かれてないぞ!
と言われそうですが、渦が花の代わりとなっています。


三つ目は屏風の作品。
左隻の一部。


川端龍子さんのこれまた『鳴門』。

六曲一双と “会場芸術” を謳った彼らしい大型の作品。

院展(=要はメインストリーム)を飛び出して
新しい道を進もうとした彼の初期の作品とのこと。

真っ青な海の色に、白く泡立つ波。
ダイナミックで清涼感と躍動感が全面に感じられます。

非常に大型で迫力満点。

直前に “赤の元宗” こと奥田元宋さんの『奥入瀬(秋』もあり、
“青の龍子” と見比べるもよし。

企画の面白さ、展示の面白さ。
このあたりに、キュレーターの意気込みを感じます。

奥入瀬が大すきで晩年になっても奥様と訪れ
デッサンをしていたという元宋氏。

木漏れ陽を金箔で表わしていて、こちらもかなりゴージャスです。



ところで、日本画を見ているとこのように美しい屏風がたくさん登場します。

どうやって数えるんだろう。と思っていたところ、学芸員の方が教えてくれました。

独立した一つの部分を一「隻(せき)」といい、
折り曲がる部分、つまり最小単位を一「曲(きょく)」といいます。
一つの面を指して「扇(せん)」というようです。


滋賀県立美術館公式ブログより。


屏風は通常ふたつセットで使うので
その一セットが「双(そう)」。
一セットのことを一双といいます。

よし。
これで屏風、怖くない。


宮廻正明さんの『水花火』は
四万十川の網漁を描いているのですが、
川の流れをスーラのような点描で表しています。

もちろん、渦潮以外にもいろいろな「水」の美しさを見つけることができますが、
わたしはやはり滝が良かったと思います。

杉山寧さんの『』は
圧倒的に流れ落ちるというより、
苔の柔らかさなども感じられるような滝。



ぜひ見て欲しいです。


自然はいつもわたしたちに驚きを与え、
ときに想像力を刺激してくれます。


『ウォーターホール』のシリーズで有名な
千住博さんの本にすごくいいことが書いてありました。


夜桜の項で。

一輪の和花を見て美しいと感じるのは日本人だけではない。
(中略)
日本人だけにわかるものなど存在しない。
日本の美を探るなかで日本人が感じてきた普遍性のなかに、いまの世界が忘れている何かがあるかもしれない。 
それを示すことこそ、真のインターナショナル、真の国際貢献ではないだろうか。
日本文化を通して、人類の真理に迫るーそれが日本美を探る意味ではないだろうか。

著作も多いので、一度ちゃんと読んでみようと思います。



【参考】

山種美術館
「水の音 -広重から千住博まで-」
期間:2014年7月19日(土)~9月15日(月・祝)
場所:東京都渋谷区広尾3-12-36



鳴門の渦の場所はこちら

徳島県鳴門市。
鳴門海峡に架かる大鳴門橋の橋桁内(車道の下)に造られた
海上遊歩道『渦の道』から見下ろすこともできます。


美の巨人たち 川端龍子 『鳴門』 

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