Road to Gaudi. / ガウディまでのみちのり

趣味がない。
すぐ飽きる。
舐めてかかる。

TAKE OFF!


そんなわたしの唯一の興味は “旅行” 。

落ち着いて考えると、
金額的にも時間的にもかなり費やした投資だということが身に沁みます。

予習復習しないわたしですが、
旅行だけは別。

来週のバルセロナ&パリ旅行に向けて
2005年くらいからチマチマ買い集めていた世界遺産、パリ、と名のつく雑誌を読み返しています。


井上さんは2011年末には「PEPITA 井上雄彦MEETSガウディ」という本も刊行。


最新号のCasa BRUTUSは『井上雄彦とガウディ巡礼』。

しかし、BRUTUS的ガウディ建築の最大のポイントである
逆さ吊理論がわかりません。

このなぞを解明したい。

出来れば、サグラダファミリアに着く前に知っておきたい。
現場では事実確認からはじめたい。

そう思いCasa BRUTUSを5回くらい読みましたが
已然として理解できていません。

これは、基礎力の問題か?

ちょうどそのタイミングで教えてもらったのがコレ。

「ヨーロッパものしり紀行」シリーズ。


元添乗員イチオシの紅山雪夫さんの本です。


基礎を易しい日本語で丁寧に説明して下さっているうえ、
なんだか語り口が愉しく、
とりあえずわかった気にさせてくれます。

ヨーロッパの建築史は

コリントスのアポロン神殿。

神々の神殿を中心としたギリシャ建築


世界最古のコンクリ建築でもあるパンテオン。


ギリシャ建築をブラッシュアップし
アーチやボールト、ドームを生み出したローマ建築


東ローマ帝国で栄えたロシア正教の教会やモザイクなどが特徴のビザンチン建築

中世を挟み、
ロマネスク建築へ。


10世紀になると農業の生産性が向上し、社会全体にゆとりが生まれました。
手工業、遠隔地商業が復活し、都市が興ります。
諸侯の戦争や戦略結婚の結果、領地の合併が進み、大型の諸侯が現れました。
特にフランスではこの傾向が早くからありました。

そこで訪れた10世紀末の教会建築ブーム。
土地の寄進を受けて財力わ蓄えた各地の修道院が大規模な改築をはじめたのです。
古代末期や中世初期の古い教会を取り壊し、新設した新しい教会は
《ローマ風の》ロマネスク様式となりました。

12世紀まで西ヨーロッパ、
12世紀中頃までフランス、
そのほか13世紀まで続き、次のゴシックに引き継がれるます。

ロマネスク建築では、円頭アーチだったものが尖塔アーチとリブ(石で作った肋骨)へ

発生地も地方の有力修道院から北フランスの国王領へ変わります。

ロマネスクでは光を建物の中に持ち込むことに成功しますが
ゴシックではステンドグラスによって、光を編集することに成功します。

ゴシック建築は12世紀に北フランスで興りました。

ゴシックと呼ばれうる最初の建築作品は当時の修道院長であったシュゼールが指揮を執った
サン・ドニの修道院です。

聖堂の内部。高い窓とステンドグラスが出現。


少しずつ発展し、ノートルダム大聖堂では古典的な四層作り、

サント・シャペルに至っては「究極の美」と書かれており、
ゴシック建築の完成形・単層作りとなっています。

この3つの教会はすべてパリ近辺にあります。

パリで一気にゴシック建築の変容も見ることができるなんて大興奮!



その後、15世紀にはいよいよルネッサンス建築の時代に。

ゴシックが華美で非合理的になっていくにつれて
原点(=古代)回帰の風潮がおこります。

イタリアにはじまり、16世紀にはアルプスを超え
フランスやドイツでも爆発的に流行したルネッサンス様式ですが
今回の旅にはあまり関係がないので、ルネッサンスについては割愛。


その後も「歪んだ真珠」、バロック建築、もう一度古代復興の新古典主義。
ブログではこのあたりも割愛。
そこで紅山雪夫さんの本は終了しています。

おや!
おやおや!
ガウディの直前で本が終わっています。

またもや逆さ吊理論、解明されず。


しかし、ガウディも多用している
モザイクの素材や仕様効果としての優位性がわかったり
アールヌーボーやモダニズムまでの変遷
これまで多様化してきた建築の基礎中の基礎が学べたような気がして
大満足です。

ラヴェンナに残るモザイク。テオドーラ妃。


ただただ旅行が楽しみです。


【参考】

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