Museum Addict. Yamatane Museum / 山種美術館、その二。

またまた山種美術館について。

毎回、展示内容は学芸員、キュレーターの方の知恵のたまものです。
所蔵品をよく理解し、新しい解釈を加えた色々なキュレーションが特徴だとおもいますが、
テーマがすごく面白く、勉強になったものを2点ご紹介。


ひとつめは

【 Kawaii 日本美術 ―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで― 】

開催時のポスター


目玉として、後期日程で伊藤若冲の 《樹花鳥獣図屏風》 も静岡からレンタル。

上が右隻、下が左隻。


右隻は「獣尽くし」、左隻は「鳥尽くし」で、白い像の右隻は特に有名で知っている方も多いかもしれません。

身近なものから、舶来の動物、または実在しない空想上の生き物まで、様々な鳥獣が水辺にあつまり、生命力あふれる迫力の屏風でした。

震災直後、プライスコレクションが東北のほうに来ていましたが、残念ながら見に行けず…。
直に若冲の著名な作品を見ることができ、本当に良かった。

参考 「若冲が来てくれました―プライスコレクション 江戸絵画の美と生命―」


さて、若冲といえば、最近おもしろいヴァリエーションが。
teamLABによる映像作品として、エキジビジョンがあり、見に行きました。
『鳥獣花木図屏風』をモチーフに現代のテクノロジーと融合させた作品です。
最先端技術をもってしても、“消費”されない芸術。
その深遠なアイデンティティ、イメージの強さには驚かされます。

参考 teamLAB 【若冲幻想】

        チームラボによるデジタルアート作品の展示がKITTEの開業1周年を記念で開催。




もちろん!
若冲だけではなく、むかしから可愛いものとして描かれてきた幼いこども、小さな動物などなども。

特に気になったのは 【波乗り兎】 という作品です。
作者の守屋 多々志さんは知らない方だったのですが、とにかく作品がユーモアがありかわいい!

扇形の作品

解説によると、「波(浪)に兎」は古くから絵画や工芸に取り上げられてきたテーマのようです。
兎が月、波が水に結びつくことから火除けの意味を表すこともあるようです。

どこに向かっているのかわからないつぶらな赤い瞳がきれい。

やはりむかしの人も白いもの、ふわふわなものには弱かったのでしょうか…。


ふたつめは次回!


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